CHARAC-TER
2010.03.30 


部屋の中に、心まで温めてしまうような冬の柔らかい日差しが差し込んでいる。雲間からの光を思いきり瞳の中に入れてしまった城之内は、避けるようにして視線を上げた。そうして見たこの部屋の天井はずいぶんと高く感じられた。





最近雨ばかりで一日中晴れている日が少なかった。
そのせいか日差しが入ることはなく、その薄暗さが天井を低く見せているのだろうと思った。

こんなうららかな冬の日に感じる温度は、あと何日で終わるか………。


床に座りこみ、後ろに手をついた姿勢で天井を見上げていた城之内は、暇のあまり、そんなどうでもいいことを考えていた。
目の前の机は、乱雑に文字が書かれて折り畳まれたメモが置いてある。

さっき海馬が走り書きして置いていったメモ…
実はまだ見て読んでいなかったりする(苦笑)


長い間海馬と一緒にいたが、実はというと海馬の字を見たことがない。英語…ならあるけどさ?

なんか、ビミョーに緊張している俺がいる。
どんな字だろう、なにが書いてあるんだろう…

そんなこと考えてうだうだしたりして早3時間。
あ……7時思いっきり過ぎているじゃねぇか……見たいドラマあったのに…!
…………。
くそっ…ただのメモじゃねぇか!たぶん俺宛の!行け!男、城之内!ほら!GO−!!
なぜか目を閉じながらサッとメモを掴み、素早く開ける。
恐る恐る目を開けると、そこに書いてあったのは━━

『20時には帰る』

ちょ、ゑ?え━━!!?
超・予想・外の、キタ━━!!!
いや、普通の文だけ、ど……内容は素っ気ない、けど…あの、えっと…これは…




字が可愛すぎるだろおぉがあぁぁぁぁ!!!!!
萌えってやつだな!(笑)

これ、本当にアイツが書いたのかよ…?
女の子みたいな字だな−丸いな可愛い−な!
まったく海馬のやつこんな可愛い字書きおきしやがって俺を悶え死にさせるきかっつの!
くそぅ!戻ってきたら抱きしめてや
「戻ったぞ、ぼんこ「お帰り海馬あぁぁぁ!!!」つうぅ!??」

へへっ海馬、いきなり俺の熱烈な抱擁に固まってやがる!

「なんだ貴様いきなり!離れろ!」

「へへっやだね!
今日は覚悟しろよ海馬!」

「なにをだ!離せえぇ!!」


End.

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黒影翠様/夜明けの空

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