チルドレン
2010.07.25 


 新築の床からは真新しい木材の匂いがみずみずしく薫っている。貼りたての真っ白な壁紙は夏至を間近に控えた初夏の陽光を照り返して夕刻とは思えない眩しさで輝き、ふわりと居間を通り抜ける風は爽やかな緑の匂いを室内に運んでいた。
 
 「日当たり良好、風通しも良好。おまけに駅まで10分ってか。・・・さぞ高けーんだろなぁ」
 
 目前の立派な物件を改めて見上げつつ、城之内は地毛の色が混ざり始めた金髪を物憂げにかき上げ、額の汗をぐいと拭った。アスファルトから陽炎が立ち昇る暑さのこの日、城之内は同じ動作を幾度繰り返したか知れない。肩に掛けたタオルを見遣れば、朝は白かったものが、汗だか埃だか分からない汚れで今や茶色に染まっていた。これはどうやら落ちなさそうだ。
 
 「海馬に言ったら、また捨てろって言われるんだろうな」
 
 高ぇタオルなのになコレ、と城之内は呟いて溜め息をついた。ああそういえばこの前もワイシャツ捨てさせられたなと、彼は遠い目で思いを巡らせる。
 海馬が買ってくる(というより取り寄せている)日用品は当然のように高級品で、このタオルだとて例外ではないのだが、汚れれば、天下のKC社長様はこれまた当然のように「捨てろ」の一言で切り捨ててしまうのだ。城之内が次に使う頃には、例外無くしれっと新しいものが用意されているのだから問題無いといえばそうなのだが。
 
 (せっかくなんだし、もっと『普通の家庭』っぽい感覚が欲しいわけ!)
 
 運んでいる引越しのダンボールからのぞく、使い古された感じの鍋つかみ。そうそうこういうの、と城之内がにやけていると、貧乏性丸出しの独り言ばっか言ってねぇでテキパキ働けコラ、と後ろから野太い怒号が飛んだ。
 
 
 城之内と海馬が同棲し始めて、1年と2ヶ月程が経つ。
 
 前年の春、海馬の弟モクバが高校へ進学するに当たって、本人の希望によりアメリカへの留学が決まった。小学生にして既にKC副社長として兄の右腕を務め、人並み外れて有能な兄と比べても何ら遜色のない働きを見せていたモクバは当時からその天才的な能力の片鱗を見せており、近い将来兄と共に、あるいは兄に代わって会社を背負って立とうとする彼がより高等な教育を望んだのはごく自然なことにも思えたが、もしかするとその選択に至るまでには兄と自分への気遣いがあったのかもしれないと城之内は考える。
 
 とにもかくにも、モクバが海馬邸を出たことで、兄の瀬人もまた、高校時代から交際の続いていた城之内との同棲という形で自然に海馬邸を出ることとなった。決してモクバが兄を邸に縛り付けていたという訳ではなかったが、城之内と海馬の2人の状況の変化が、海馬が邸に留まる理由を無くしていたのだ。
 
 城之内の方は、学生時代の彼を散々苦しめた借金を見事に完済していた。
 
 といっても、正しくは、海馬が無理やり完済させたのだ。
 交際を始めた当初は、自らの家庭事情には干渉するなという城之内の希望に対して異存はなかった海馬である。ところが、幾度となくボロボロの姿で海馬邸に逃げ込む城之内を目にしてただでさえ苛立っていた折、城之内のアパートの前で偶然城之内の父親と出くわした海馬が城之内共々殴りかかられて、ついに「ブチ切れて」しまった。
 これほどにこの表現が似合う状態の人間がいただろうかと城之内が感心した程その豹変は唐突で、平然としていたはずの海馬が突然城之内の父親を派手に背負い投げて気絶させた後、有無を言わさないままに鮮やかな手順で病院にぶち込み、城之内が呆気にとられているうちに彼の借金先まで突き止めてあっさり完済してしまったのだ。その他諸々、後始末もしっかり済ませて。
 
 いかにもすっきりしたといった晴れやかな表情で、これで万事問題無かろうと言わんばかりにふん反りかえった海馬を前に、開いた口の塞がらない城之内が憤慨する気も起きないほどあっという間の出来事だったのである。それが2年前。城之内はせめてもの意地で海馬に借金を返し続けているが、無利子無担保無期限の借金など無いに等しく、海馬も好きにさせている。
 
 また、海馬は海馬で、高校卒業後はかねてから声が掛かっていた都内の大学の研究室に出入りしている。多忙な彼はそちらに泊まることもしばしばだし、モクバや支社の様子を見にちょくちょくアメリカにも行ったりしているため、こちらも行動範囲は大きく拡がっているのだ。
 
 かくしてどちらも実家に留まる理由の無くなった2人は、城之内の希望通り、互いの実家以外にマンションの一室を購入して新たに所帯を構えることとなったのだった。
 
 生活費は一応二人で、ということで城之内もこうして働いているのだが、学生の時の癖が抜けないせいか未だにアルバイトを掛け持ちする所謂フリーター状態である。定職に就く事をもちろん考えてはいるが、不思議なことにこの状態でもそれなりに稼いでいるのは城之内の素質なのだろうか。そうはいっても実際のところは生活費のほとんどを海馬が出しているのだが、彼にとってはそれこそ微々たる支出である。海馬も城之内の労働形態についてとやかく言うことはしていない。
 
 城之内は残り少ないダンボールをトラックから抱え上げ、あともう一息だと自らに喝を入れ直した。
 
 ちらりと腕時計を窺えば、短針は5の位置を少し過ぎたところだ。短期で入った引越しのアルバイトは力仕事専門の城之内にとってきつい仕事ではないはずだったが、この暑さである。帰ったら海馬に癒してもらお、と、決して癒し系ではない恋人の顔を思い浮かべながら荷物を抱え直す城之内の顔には、しかし確かに穏やかな笑みが浮かんでいた。
 
 ・ ・ ・
 
 「海馬あー。ただいまぁー・・・」
 
 城之内は言いながら、海馬の不在はなんとなく予想していた。既に薄暗くなった外から仰ぎ見たときに部屋の明かりが点いていないのは分かっていたから、不在か寝ているかのどちらかだろうとは思っていたし、後者など年に一度あるかないかの珍しい事態なのである。リビングに通じるドアを開け、やはり不在らしいのを見てとると、城之内はがっくりと肩を落とした。
 
 「分ぁかってーてもー、寂しーいのよねー」
 
 即興の妙なメロディーまで付けて不平を零しながら、汗で濡れたシャツを脱いでタオルと共に洗濯機に放り込む。
 とりあえず、するだけは洗濯してみよう。染みのついたタオルを、海馬が使うのを嫌がっても俺の作業用にするには問題ないはずだ。
 哀れな高級タオルが捨てられずに済むように算段しながら、上半身裸のまま城之内はソファにぼすりと腰を下ろした。あちぃな、エアコンつけようかな、と、手で顔を扇いでいると、ふとテーブルの上の白いメモ用紙に気付く。身を乗り出して、その名刺サイズのシンプルなメモ用紙を取り上げると、そこには久しぶりに見る愛しい文字が躍っていた。
 
 『20時には帰る 瀬人』
 
 「・・・そーいや、今日携帯忘れてったな俺」
 
 城之内の口からふっと息が漏れる。ふにゃりと顔を綻ばせて、しゃーねぇ、8時までは待ってやっか、と、メモを見つめながら呟く城之内はその日で1番幸せな気分に浸っていた。
 
 
 控えめに丸まったどこか肩身の狭そうな数字に、やんちゃなパーツ達があるべき場所に落ち着くのを嫌がったかのような、どこか愉快な平仮名、漢字。ずば抜けたカリスマ性で自社の社員は一人残らず纏め上げるくせに、このやんちゃな文字だけは未だにコントロールできないんだなと思うと、ボールペンを握って格闘している海馬が目に浮かんで、城之内の口角は知らず上がっていく。
 
 思えば城之内が最初に目にした海馬の字も、同じくメモ用紙に書き付けられたものだった。
 その時はモクバに宛てられた書き置きだったのだが、海馬邸で城之内が目にして大仰なリアクションを取った際にはその意味を勘違いした海馬が酷く臍を曲げたものだ。その後海馬は自身の文字を見せるのを頑なに嫌がったりもしていたのだが、城之内がいちいち騒がなくなってからは気にしなくなったのか、携帯電話を忘れがちな城之内のために時折こうしてメモを残すようになっている。
 
 しかし、やはり必ず、海馬はペンと紙を前にするとちょっと躊躇うのだ。
 そういう姿を見ると、恥ずかしがることないのに、と城之内はいつも思う。
 
 こう言ってはなんだが、海馬瀬人という男はあらゆる面において基本的に完璧だ。
 容姿はと言えば整った顔にスラリとした長身、ステータスはと言えば今を時めく大企業の若き社長。頭脳明晰、運動神経だって抜群。おまけに天才技術者でデュエルだって強いとくれば、どこをとっても隙がない、まるで「完璧」を模った偶像を見ているような気分にさえさせるのが彼なのである。
 
 そんな彼が書くこの「完璧」からおよそ掛け離れた字は、その偶像に鮮明な個性をもたらし、その強烈すぎる性格と合わせて、「海馬瀬人」を「海馬瀬人」たらしめる一種のアイデンティティとなっているのだ。
 城之内も、無自覚のそんな認識から海馬の字を受け止めているし、それでなくともほんの一握りしか知らない海馬の独自性を自らが知っているというのは彼にとってなかなか気持ちいいものなのだ。初見の時のオーバーリアクションはそういった意味でのちょっとした興奮が故であって、それが海馬を馬鹿にするものであったはずがないのである。
 
 そして何より、城之内はとにかく海馬の字が好きだった。
 
 落ち着きのないその字は確かに上手くはない。が、子供がバラバラとパーツを並べたような字は何となく躍動感を感じさせ、ともすれば今にも字自体がメモ用紙を飛び出して子供のように遊び始めそうな、独特のワクワク感をその字は持っている。
 
 
 城之内が海馬の字に対して最初に抱いた感想は、「楽しそうな字」だったのだ。
 ペンを握るその顔は仏頂面なくせして、紙の上の文字に朗らかな命さえ吹き込んでしまう、そんな恋人に、城之内は一層惚れ込んだのだ。
 
 
 疲れた身体は既に眠りに入ろうとしている。落ちかけた瞼の裏に愛しい10文字を映しつつ、にやついた口許をそのままに、城之内はいつしか夢の世界へと吸い込まれていった。
 
 ・ ・ ・
 
 頬にくすぐったさを感じて城之内が目を覚ますと、眼前には見覚えのある濃紺のワイシャツが広がっていた。
 左頬にチクチクしているのは、どうやらこれまた見覚えのある栗色の髪の毛だ。それから、妙に身体が温かい。さっきまでは少し肌寒かったような気がしていたのに。
 
 「…馬鹿が。」
 
 耳元で、不意に低音が聞こえる。海馬の声だ。
 そうか、海馬帰ってきたんだ。
 
 とするとこれは海馬か。ああ、成る程海馬が俺に抱き着いて…
 ん?
 
 城之内の意識が急激に覚醒した。
 
 「うお!?か、海…むぐぅ!」
 
 慌てて飛び上がって状況を確認する、のはしかし適わなかった。海馬が抱き着いたまま、物凄い力で城之内をソファに押し戻したからだ。
 
 「痛、いててて痛ぇって海馬!」
 
 「うるさい動くな黙っていろ馬鹿が。」
 
 相変わらず城之内に抱き着いたままの海馬から、起きたばかりの城之内に浴びせられる罵倒。
 城之内にしてみれば訳が分からないのだが、抱き着いているにしては強すぎる腕の力を考えれば、海馬が怒っているのは確かのようである。
 
 「えと…とにかくお帰り。…どーしたんだよ海馬。」
 
 とは言え、理由も分からずその場凌ぎで謝って海馬の神経を更に逆撫でするのには流石に懲りている城之内だ。取り敢えず冷静に柔らかい声を出して、様子を窺う。
 立った神経の代わりに背中を撫でつつ、自称百獣の王様の御怒りの原因をやんわりと尋ねれば、大抵は剥き出した牙をしまってくれるのを彼はちゃんと知っていた。
 そして、今日もまた例外ではないようだ。
 力の篭っていた腕がふわりと緩んだ。疲れた溜め息が、城之内の耳元でふぅっと漏れたかと思うと、やがて低い声がぽつりと呟く。
 
 「…体調を崩したと喚いたところで、俺は知らんからな」
 
 あ、と城之内が気付くと同時に海馬の身体が離れた。
 
 「その時は暫くここには戻らんぞ」
 
 移されてはかなわんと海馬はそっぽを向く。見れば帰ったばかりのようでまだネクタイも解いていないがそのまま台所へと行ってしまった海馬を見遣ると、城之内もソファにもたれていた身体をゆっくりと起こした。
 
 素肌に掛かっていたブランケットがするりと落ちる。
 城之内はへへっと笑みを零した。
 
 察するに、つまりは。
 海馬が怒っていたのは上半身裸で寝てしまった城之内の身体が冷えるのを心配しての事だったのだろう。言葉こそ乱暴であれ、ブランケットを掛けた上から抱き締めて温めるという至れり尽くせりを、どうやら帰るなりやっていたのだ。
 
 普段の海馬からは考えられない奉仕ぶりである。何だかんだで愛情故のその怒りの原因を考えても、城之内のにやけは治まらなかった。
 
 (うわ、今日すげぇ積極的…久々にデレモード来ちゃった?)
 
 つい先刻叱られたばかりで不誠実だとは思いつつも、疲れてるっぽいけど今夜はいけるか、などといかがわしい期待に胸躍らせてしまう。
 
 暫くして台所から戻ってきた海馬がしっかりと2人分のコーヒーカップを持っていたのを見て、城之内の中の欲望は勢い良くガッツポーズをしたのだった。
 
 デレモード決定。今夜はいける。
 
 そんな城之内の心中を知ってか知らずか、海馬もまだ上半身裸のままの彼を特に咎める事なく城之内の隣に腰を下ろした。
 
 そういえば貴様暫く染髪をサボっているだろう、などと言いながら渡されるコーヒーカップに、あぁそろそろ染めなきゃなあと頷きつつ城之内も口を付ける。
 
 沈黙が支配する空間に、コーヒーの薫りが漂う。
 
 ブルーマウンテンのアメリカンが最近の海馬の好みだ。ブラック派は貫き通しているものの、銘柄や淹れ方の流行りは彼の中でちょくちょく変わるらしい。
 
 一口啜って息をついた海馬が、ふとテーブルに置きっぱなしのメモ用紙に目を留めた。
 
 「…貴様、今日携帯を忘れていっただろう」
 
 「ん?ああ」
 
 海馬の視線の先に気付くと、城之内もカップを置いてメモを取り上げる。これありがと、と微笑むと、まるでコーヒーが突然苦くなったとでもいうようにどこか渋い顔をする恋人が、城之内は堪らなく愛しい。
 
 「そんな顔すんなよ。次からは気をつけるって」
 
 「貴様のそれはいつも当てにならんな」
 
 「馬鹿だからよ、しょーがねーんだ」
 
 海馬がこうやって書き置きしてくれりゃ問題ねーし、と言えば、次はしないと冷たく言い放つ海馬。
 しかしその割にはわざわざ持っていたカップを置いて、そりゃねーぜ、とじゃれつく城之内を受け入れていた。こいつもこの数年で丸くなったもんだ、と城之内が思うのはこんなところである。よほど「俺はお前の字大好きなんだぜ」と伝えてやりたかった。ここで折角の機嫌を傾けるのも嫌だから言わないが。
 だがいつかは言ってやろうと思う。
 
 メシ食ってきたの、と尋ねると海馬が頷いたので、じゃあ今からヤっちゃおうぜと城之内は海馬を抱き締めた。お前はと海馬が聞くのに、城之内も食ったと返す。ちゃんとした夕飯はまだだったが、夕方バイト先でもらったパンがもつだろうと考えた。あとで夜食がてらに何か入れればいい。
 
 おさまりが良いように身体を抱き直していると、ふと部屋の壁掛け時計が目に付いた。
 
 「え、ってかもう9時過ぎてるじゃねーか!」
 
 海馬が選んだアナログ時計の針は確かに9時数分過ぎを示している。だから何だと撥ね付ける声は聞こえるものの、城之内が覗き込んだ海馬の顔は少しばかりバツが悪そうである。
 
 「20時には帰るって言ったくせに、門限守れよ」
 
 「うるさい」
 
 誤魔化すように海馬から城之内のそれに重ねられた唇。
 ちゅ、と唇を押し付けるだけの優しいキスをして、離れた顔を見合わせた時に、二人どちらからともなく吹き出した。
 
 
 ソファの上でじゃれながら、城之内は海馬が帰ってきてからの自分達を思い出す。
 
 服を脱いだまま寝て、風邪を引くって怒られて。
 書き置きした帰宅時間を守れなくて、ごめんなさいのちゅうで誤魔化して。
 
 ああなんだか子供みたいだな、と思う。
 
 身体を温めるのに淹れてもらったコーヒーは子供には苦すぎるけれど、
 キスからなだれ込んでこれからする行為は決して子供らしくはないけれど、
 
 およそ子供らしくない子供時代を駆け抜けてしまった2人だから、やっと手に入れた暖かい家でくらい、子供でいてもいいんじゃないかと、思う。
 それでなくてもその内1人は、子供たちの笑顔溢れるネバーランドの主なのだ。
 
 
 「ヤるんならベッドに行くぞ」
 
 「へいへい」
 
 例え絵に描いたような形ではなかったとしても。
 
 ・ ・ ・
 
 「なあ瀬人」
 
 「何だ」
 
 「俺達の子供が出来るとしたら、お前の字みたいな感じかな」
 
 いつの間にか持ってきていたらしい海馬のメモを眺めながら、城之内が呟いた。腕枕でぼんやりとまどろんでいた海馬の眉がぴくりと動く。
 
 「…分かるように話せ」
 
 「お前に似てちょっと性格歪んでてさ、で、俺に似てやんちゃで。で、二人共に似て、すっげぇ素直に子供らしく遊ぶの」
 
 「…分からんな」
 
 そもそもそれが字と何の関係がある、と怪訝そうにする海馬に、分からなくていいよ、と城之内はクスクス笑った。
 海馬は眉間の皺を深める。
 
 「怒るなよ」
 
 「…ふん」
 
 海馬はごろりと寝返りをうって城之内に背を向けた。
 マジで怒らせたかなと城之内は焦ったが、
 
 「子供なら、いつか俺が産んでくれるわ」
 
 ぼそりと聞こえてきた言葉に、幸せすぎて笑いが止まらなくなってしまった。
 こいつなら高笑いしながら成し遂げちまうだろうなと、城之内は本気でそう思った。
 
 
 無愛想で高飛車で早熟なピーター・パンが一足先に命を吹き込んだ文字の子供たちは、今も恋人がこっそりしまった、小さな引き出しの中で踊っている。


End.

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umi様/深海デトライタス

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